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緑内障について

ページ作成のきっかけ

緑内障に関するご相談の方が以前より増えました。

ある方から「緑内障の点眼薬をつけていますが説明を受けたことが無く、自分の状態を知りたくて受診しました」とお話があり驚きました。
医師との会話はあってもその患者さんは置いてけぼりになっていたのかもしれません。

院長は緑内障の名医ではありませんが、東邦大学で緑内障外来を担当した事、お二人の名医に指導頂いた事、緑内障の研究に携わった事から、少しでも役に立てばと思い記載しました。

緑内障に関する一般的な説明は割愛します。
Youtubeで
医師・医療機関が作っている動画もあります。
説明の仕方が合うものを見て頂くのがいいと思います。
下記もご参照ください。

日本緑内障学会ホームページ

日本眼科学会 緑内障の解説ページへ

 

診断(開放隅角緑内障)


緑内障を診断するのはとても気を遣います。
閉塞隅角緑内障は上手くいけば治癒して以降は経過観察のみで済む方もいます。
急激な眼圧上昇があれば眼の痛みや頭痛、吐き気、ぼやけて見えるなど体からサインが出ます。
閉塞隅角緑内障の中でも「緑内障発作」は緊急性が高く急いで治療します。
(認知機能が低下されている方、ご高齢の方などはそのサインがはっきりせず「なんとなく食欲が落ちた」などご家族が気づかれる場合があります)


開放隅角緑内障の方が患者さんは多く、治療はずっと続きます。眼圧上昇が著しい方以外は痛みも無く、健診や別件で受診した際に診断される方が多くいらっしゃいます。

「緑内障です」と診断するのは「これからずっと治療だよ、通院もずっとだよ」と言っているのと同じです。
自覚症状が無い方が多いです。
片眼ずつ隠して症状を自覚して頂く事もありますが、ちょっと見づらくても「疲れてるから」とか「年齢のせいかな」と放置してしまう事が多いと思います。

目薬で充血する(友達から目が赤いと言われて嫌)、しみる、かすむ、かゆくなるなど不快な反応もあり、1年以内に治療を中断してしまう方もいると言われています。
勇気を出して「目薬さすとしみて痛いんです」と病院で言うと叱られたり、話は聞いてくれたけど目薬は変わらず前回と同じ処方箋をもらってがっかり。思い切って大きな病院へ行こうとすると紹介状が無いとダメと言われ、かかりつけの先生に「紹介状を下さい」と言ったら叱られるのではないか・失礼なのではないかと思い言い出せず「何時間でも待つ覚悟で大学病院を受診しました」と紹介状を持たずに受診される方もおられました。

ただし、嫌な事があっても通院や治療を自己判断でやめないでほしいと思います。
苦い経験があるからです。
眼科医1-2年目の頃、点眼薬を開始したものの通院が途絶え、5年ほどたってから再診された方がいました。眼圧は30mmHg(日本人の平均は14-15mmHgと言われています)で片眼はほとんど見えなくなり、もう片方の眼も進行していたため急いで治療を再開しました。
金銭的な理由で治療をやめてしまい、そのままにしていたものの見づらくなり再診されたそうです。
〇〇さん、
もったいない事をされましたねと尊敬する当時の教授が言われた事は今でも覚えています。

眼圧がいつも高めで複数の目薬をさしていた別の患者さんは、「針治療や漢方を試したい」とおっしゃられました。
緑内障には解明されていない面があるため新しい治療の可能性を否定できませんが「点眼薬を中止したい。知り合いの先生から漢方で眼圧が下がると言われた」と複数の薬を全て中止する事を強く希望されました。
必死で止めましたが、結局目薬を一度やめられたそうです。目薬が効いていた方ほどやめれば眼圧は上がってしまいます。
いつもは数カ月おきの受診でしたが、目薬をやめるならすぐに再診して頂く事をお約束し、再診の際には眼圧が前回より上がってしまいました。
「目薬が効いてはいるけど目薬だけでは抑えきれない」という理解を患者さんと共有し、この方は手術を受ける事になりました。

私が言いたいのは「ほら見たことか」と患者さんを批判したいという事ではなく、この患者さん(初老の女性でした)は治療の意欲があり何とかしたい気持ちが強く、必死だったけれども結果的には合わない方法を選択してしまったという事です。
先に述べたように緑内障の目薬は副作用が出る場合もありますが、事前に患者さんに説明してからつけて頂くとあまり問題にならない気がします。
事前の心構えができるからでしょか。

同じような例は他の方にもあると思います。「一度失った神経は元に戻りません
(これも尊敬する臨床教授の言葉です)のでぜひとも治療を続けて頂きたいと思います。

引っ越し・転勤で転院せざるを得ない方にも「うちじゃなくてもいいから必ず通院・治療を続けて下さい」と伝える様にしています。上記の様な苦い経験があるからです。

緑内障を治す、失った神経を再生する事を目指し研究されている先生方を敬服いたします


眼圧が正常でも緑内障?
眼圧高めでも緑内障じゃない?


「健康診断で眼圧が高めでしたが緑内障では無いと言われています」
「眼圧は低いのに眼底写真で緑内障の疑いと言われました」

いくつか考えるポイントがあります。
①測定が正確かどうか。
力が入ると眼圧は高く出ます。
空気の眼圧計に加えて診察室でも測定する場合があります。

②同じ「眼圧」というストレスに対して
その方の「神経」の強さがどの程度か。
日本人に「正常眼圧緑内障」が多いのは神経自体の「強さ」の問題
が要因として考えられています。

③「神経」の変形が強く、その変形の仕方で見づらい箇所が出る
(近視性視神経症)なのか緑内障なのか。

①は色々な方法で眼圧を測ってみる、
日時を変えて測ってみる

②は「強さ」を決める指標に定まったものが無い事と
「眼球の形」「神経の形」によってもストレスを受けやすいかが違うと
考えられます。「眼圧
はこれくらいなら大丈夫」と万人向けの
値を設定できません。

③は様々な検査機器を組み合わせ、緑内障なのかどうか判断しますが
クリアカットに区別ができません。


理想は「〇〇さんはこういう要因で目の奥の神経が強く/弱く、悪化しやすい/しにくい緑内障ですから治療は□□という方法を選択しましょう」
と個別化できる未来だと思います。
緑内障は、眼圧が高く・診断した時の神経の状態が悪い等の要因があるほど発症しやすいと言われています。


いま分かっている事を組み合わせて治療を行います。

※眼圧の正常域は統計を用い決められています。
正常は10~20で日本人の平均が14~15と言われています。



治療(開放隅角緑内障)


治療は3つです。目薬レーザー(SLTの事。選択的レーザー線維柱帯形成術。隅角光凝固術ともいいます)、そして手術です。
診察室でも上記3つをお話しますが、最も多いのは「手術があるんですか?」というご質問です。

手術はありますが残念ながら治癒はしません。眼圧を下げます。
「失った神経は元に戻りません」が、眼圧が下降し明らかに視野検査で悪化しなくなる方がいます。手術法はいくつもあります。
私がもし医師ではなく、緑内障と診断され治療法を自身で調べる事になったらこの時点で困ります。
様々なサイトをみても手術方法は載っていますがどれが良いのか判断が難しいからです


大まかに
目の中の操作(隅角/線維柱帯を直に切るかステント等を入れる)か、
房水(涙とは違い目の中を栄養するもの)を外に逃がす(まぶた裏の皮膚の下に房水を逃がす)かです。

「手術」
はリスクが低くて、結果が安定しやすく、医師による技術の差が出にくく、合併症が少なく、術後のケアが簡単なほうが良いです。
ただ、緑内障手術は眼圧下降効果とリスクとが比例します。
(眼圧を大きく下げようとするとそれだけ眼に負担がかかります。少しずつ下げるために様々な工夫がなされ手法が生み出されています)
ローリスクでハイリターンというのがなかなか難しい。

つまり、の方が合併症は出にくいが眼圧下降効果も低い、の方がより合併症は多いが眼圧下降効果が高い。
当院では現在白内障緑内障とも手術はしておりませんが(点眼かSLTのみ)、手術ができればいいなと考えています(まず手術室から作らなければなりません。)

初めて診断された際に既に進行した緑内障でなければ、まず目薬かレーザーで良いと思います。
レーザーは目薬1本くらいの眼圧下降効果です。
全く同じ人間ばかりではないので、効きにくい・効きやすい人がいます。(ステロイド緑内障の方にはレーザーが効きやすい等)
目薬は細かく分かれば5種類以上ありますが、大体はじめの1本目は決まっており(緑内障診療ガイドラインに記載があります)
どこで治療しても大差は無いと思います(一般名で言えばラタノプロストやカルテオロールなど)。

絶対手術したくないから、目薬を5種類つけて5本分の効果を出すという考えもできそうですが、目薬もレーザーも最初(1本目)が一番効果が出ると思います。
目薬を3-4本つけている方に追加でレーザーはすすめにくいです。

たとえば眼圧が20の方がいて目薬を3種類使って13-14の眼圧になっていたとします。
その眼圧でも進行するならもっと下げたいのでさらに点眼薬を追加するかレーザーと言いたい所ですが、あまり良い効果はうたえません。
手術の種類にもよりますが理想を言えば手術は20を7-8に下げる効果があります。

レーザーは目薬を開始するかどうか(これから治療を開始する方)の段階か目薬1本で効果は出ているけど、もう少し上乗せしたい方には良いと思います。
保険適用ですが、1割負担で9,660円、3割負担で28,980円かかります(加入されている保険会社へおりるかどうか問い合わせされてみて下さい)痛む箇所は打たないので痛みで完了できなかった方はいません。10分くらいです。
レーザーのメリットは何といってもうまくいけば目薬をささない生活ができてしかも進行しない希望がもてる事でしょう。
但し、レーザーで眼圧を下げてももっと下げるために点眼薬を追加したり手術を行う例はあります。海外の研究ではレーザーの方が良い結果であったためそれを紹介はしますが、すべての方に当てはめてレーザーを無理強いする必要は無いと思います。
当院では視野が悪いか眼圧が高い方を除いては何度か相談してご自宅で考えて頂いてから行う事もあります。
新しく緑内障と診断をした方に関しては、半々かやや点眼薬を選ぶ方が多いと思います。

医師としてはレーザーの方が楽です。効果が確認しやすく目薬の本数も気にしなくていいからです。目薬は患者さん頼みの治療です。
1日1回と処方箋を出しても1日2回とか4回さす方もいます。もちろんその都度確認して修正して頂きますが、認知機能の低下している方や一人暮らしでなかなか気がつけない方もいます。処方箋を出したその日に薬局に行ってくれるとも限りません。2-3日に1回さしている例や受診の前日だけさしている例もあります。それだけ継続が難しいという事でしょう。点眼薬をしっかり続けられない患者さんの方が視野が悪化しやすいと言われています。

点眼治療は目薬の残数/減り方や患者さんに質問してつけられているか確認をしますが、医師の想像よりも毎日定時につけている方は少なく、一度で目に入らない方もいらっしゃると言われています。(製薬会社の方に伺うと少しでもさしやすい様に細やかな工夫がなされています)
レーザー治療のみで落ち着いている方に限られますが、薬局に毎回行かなくていい事もメリットの一つだと思います。

大学病院で勤務している際は「手術か手術じゃないか」「再手術が必要かどうか」に悩む事がほとんどでしたが、お茶の水井上眼科や当院でレーザー治療を行ってみて、重症でない方には良い治療だと感じます。私が当院で働いているのはまだ2年にも満たないですが、その2年くらい眼圧・視野ともに落ち着いている方もいらっしゃいます。


緑内障予防に白内障手術(閉塞隅角緑内障)

「目が大きいね!」と言う事があります。

   目の表情のイラスト(斜め上・まつげ) 

これはまぶたの開き具合を見て言うと思いますが、

眼科では黒目から眼の奥までの長さ

(眼軸長:がんじくちょう)が長い事を

目が大きいといいます。

 

白内障手術は目の中の白く濁ったレンズを取り人工レンズに変えます。


この時に視力だけではなく、眼軸長も専用の機械で計測して人工レンズの「度数」を決めます。
(体が大きければLサイズの服、小柄な人はSサイズで、の様に目の大きさによって
レンズの「度数」も変わります。

実際には黒目の形なども考慮し、度数を決める計算式があります。)

眼内レンズのイラスト
白内障ではレンズが濁るだけでなく目の中でふくらんできます。
白内障の目のイラスト
もともと眼球が小さい人はこの「ふくらんだレンズ」によって、
隅角(ぐうかく)という目の中を栄養する水(房水:ぼうすい)の出口が狭くなります。
房水は年齢等で作られる量が変わりますが、

自分の意志で止められません。


出口が狭ければ房水が出にくくなり目の中の圧
(がんあつ)が高くなり緑内障になる。
隅角がくっつく(癒着)と一気に眼圧が上がる「緑内障発作」のおそれがあります。

この場合は白内障手術とくっついた隅角を治す隅角癒着解離術をする事があります。
多いのが「若いころは目が良かったけど老眼が一気にきた」方です。
小柄な高齢女性に多いイメージです。


とくに遠視だった方は眼軸長が短い(目が小さい)ため、狭い目の中でふくらんだレンズによって隅角も狭くなってしまいます。

当院では白内障手術を現在行っておりませんが、この様な患者さんには白内障手術のお話をし他院へご紹介する場合があります。


茶色目(虹彩:こうさい)に穴を開けるレーザーも隅角を開く効果がありますが白内障手術の方が効果が高いです。

レーザーを希望される方もいらっしゃいますので、ご相談の上行います。

 

おわりに
最後まで読んでくださった方、ご苦労様でした。大ざっぱな記載ですが何かしら役立つ事があれば幸いです。

 

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