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近視進行抑制



ポイント

✓近視は主に目の奥行き(眼軸長)が長くなる事でおきるとされています。

✓近視進行抑制治療は一度悪くなった視力(眼軸長の伸び)を元に戻す手段ではありません。

✓治療は18歳頃まで続きます。保険診療だけではなく、自費診療の治療法もあるため長期的な費用検討が大切です。


進行を抑える目的

①視力の低下をゆっくりに

②将来的な病気のリスクを下げる


方法


多焦点ソフトコンタクトレンズ

リジュセアミニ点眼

・近視管理用眼鏡

・オルソケラトロジー

・レッドライト治療

青字:当院で取り扱いがあるもの。


 

多焦点ソフトコンタクトレンズ

 

MiSight® 1 day

 

 

日本国内で薬事承認を取得(2025年8月)、FDA承認の近視進行抑制治療用コンタクトレンズ.
2026年2月発売.
眼軸長伸長を52%抑制したという報告
(0.30 ± 0.27 vs. 0.62 ± 0.30 mm)
※Chamberlain P, Pexioto-de-Matos SC, Logan NS, et al. :A 3-year Randomized Clinical Trial of MiSight Lenses for Myopia Control. Optom Vis Sci 96:556-567,2019)

 


 

 

◎中心に遠くを見る用の度数ゾーン(遠くをはっきり)
◎レンズ周辺に向かって加入部(トリートメントゾーン;眼軸伸長刺激の抑制)を交互に配置.

✓製作範囲は-10Dまで.乱視度数は0.75D以下


 

FIGURE 2.T3:単焦点レンズ→二重焦点レンズ(Misight)
T6:二重焦点レンズ(Misight) 継続

72カ月でMisight装用中止の後も、リバウンド(近視の進みがかえって早くなる)は起きなかった.
※Chamberlain P, Hammond DS, Bradley A, et al. : Eye growth and myopia progression following cessation of myopia control therapy with a dual-focus soft contact lens. Optom Vis Sci 99:204-212,2022)

週6日以上かつ1日10時間以上の装用が必要です.

 

 

SEED 1day Pure EDOF


✓MYLO(マイロ)という名称で近視進行抑制コンタクトレンズとして販売されている製品(海外)と同じ光学設計.

✓製作範囲は-12Dまで.


 

SEED 1daypure シード ワンデーピュア イードフ -EDOF-

リジュセアミニ点眼

✓2024年12月 厚生労働省から製造販売が承認

✓1日1回点眼


効果と副作用のバランスをとり、目の中によりよく吸収されるよう製品化されています。


※2026年6月より、リジュセアミニ点眼による近視進行抑制治療について、選定療養が適用となります。


診察・検査費用は、保険診療で行う事ができるようになり(年2回)、点眼薬自体は従来通り自費での負担です。

以前はすべて自由診療で、診察・検査費用含めすべて自己負担でした。

上記の通り、保険診療で行う事ができる検査は年2回までと規定されました。

制度変更に伴い2026年6月より、新規にリジュセアミニ点眼を開始される方の点眼薬費用を1箱4,000円といたします。

 

近視管理用眼鏡

2026年6月1日発売のHOYA社(ホヤ) MiYOSMART(ミヨスマート)をご説明します。

MiYOSMARTは2018年に発売、世界50か国以上で発売.

単焦点眼鏡(通常の眼鏡)と比較(2年間)し眼軸長伸長を62%抑制という報告があります。
※Lam CSY, Tang WC, Tse DY, et al. Defocus Incorporated Multiple Segments (DIMS) spectacle lenses slow myopia progression: a 2-year randomised clinical trial. Br J Ophthalmol 104:363-368,2020.

敢えてピントの位置をずらすレンズが組み込まれており、毎日装用する事で近視進行を抑えます。

偽近視の除外等のため調節麻痺下での屈折検査を行った後に処方します。

 

HOYA社 HPへ 

 


✓下記の通り、検査用の点眼薬を使用しますので数日間見え方がぼやけます。



オルソケラトロジー

レンズをつけて寝る→朝起きたら外す
日中裸眼で過ごせ、近視も進みにくくなると報告があります。

レンズの洗浄などの管理に保護者の方の協力が必須です。

レンズ自体が痛くてつけられない、アレルギー性結膜炎でつけられない方がいます。

レンズ自体が汚れやすいため、通常のコンタクトレンズよりも厳しく管理をすべきです。

最も怖いのは感染症です。「レンズをやめれば治る」というレベルではなく、
何カ月もの治療を要したり黒目ににごり・痕を残してしまう場合もあります。

※当院では導入しておりません

 

 

レッドライト療法

赤色光の照射によって眼軸長伸長を抑制します。
※当院では導入しておりません

 

どの方法を取り入れるか?

※CL/眼鏡とリジュセアミニ併用も可.

※レッドライト、オルソケラトロジーは当院導入無し.

近視進行抑制治療は、裸眼で生活できる状態を約束するものではありません。

いくつかご紹介した報告が示すように完全に進行を止める方法ではなく、

眼軸長伸長による合併症を少しでも減らす事を目的と考えています。

 

近視関連サイトと資料

NHK:「近視」チョイス@病気になったとき

参天製薬:お子さんの見え方チェック!

参天製薬:子どもの近視ハンドブック

 

さいごに

眼科医になりたての頃、近視進行を遅らせる目薬(低濃度アトロピン)の論文を読みました。
海外でデータがあり、日本でも研究が行われているとの事。
(ATOM studyとATOM J study)

自身が近視で困った経験から興味を持ちました。
シンガポールで作られた目薬が処方できるとの事。先輩医師のクリニックで実際に処方し、治療に携わりました。
オルソケラトロジーも行っているクリニックでしたので、オルソケラトロジーと低濃度アトロピンを併用すると
より近視進行が抑制できる可能性がある事をご説明する等しながら診療しました。
(Kinoshita N, Konno Y, Hamada N, et al. Efficacy of combined orthokeratology and 0.01% atropine solution for slowing axial elongation in children with myopia: a 2-year randomised trial Sci Rep 10:12750, 2020.)


その後、参天製薬さんから日本でも低濃度アトロピンが処方できる様になると伺い大変驚きました。
薬事承認を受けた点眼薬、さらにコンタクトレンズ(Misight 1day)も処方できる様になり、
目薬の論文を読んでから約10年で一気に選択肢が増えました。

その分、保険制度や治療効果に関して勉強すべき事は増えましたが、
科学的根拠があり承認を受けた方法を提案できるのはありがたい事だと感じます。

 

近視進行抑制治療に関する相談をご希望される場合は当院へご連絡ください。

 

施設認定証

 

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